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社会主義とは【簡単に分かりやすく解説】

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社会主義とは「簡単に」

”生産手段の大部分が社会的、民主的な支配下にある政治体制のこと。”

もう少し詳しく言うと、個人が資本(生産のための土地,資金,施設など)を持つことができない社会。資本のすべてが国民みんなのものであるとして国家が管理し、平等に分配する社会のこと。


社会主義を簡単に説明する定義は存在しない

上記で簡単に社会主義を定義しましたが、経済制度の点から見ても分かるように、社会主義には膨大な数の理論・定義が存在するため、一元的に定義することは困難です。1924 年に出版された『Dictionary of Socialism(社会主義の辞典)』の中で、ウクライナ人学者のアンジェロ・ラッポポート(Angelo Rappoport)は、社会主義の定義を 40 以上も集め、その序文の中で「 “there are many mansions in the House of Socialism” (社会主義の家には多くの邸宅がある)」と読者に伝えています。また、ポーランド出身の哲学者レスゼク・コワコフスキは、『Main Currents of Marxism(マルクス主義の主な潮流)』の中で、社会主義思想のさまざまな潮流を説明するためだけに、1,300 ページ以上も使っています。このことから分かるように、一口に社会主義と言ってもその定義は多岐にわたり、誰もが納得する正確な定義を求め始めたらきりがないというのが正直なところです。


社会主義とは「経済制度」

社会主義の経済制度には、大きく2つの考え方があります。「計画経済」と「社会主義市場経済」です。

「計画経済」では、中央政府が、経済の技術的な潜在性についての情報や消費者の需要についての情報を集め、前者と後者の間の最適な一致を追求するように生産の目標を策定します。企業は、これらの目標に基づいた生産計画に従って生産します。この計画経済が成功すれば、誰もが消費財への平等なアクセスが最高レベルで確保されることになります(需要と供給が一致していればみんなが適正な価格で物を買えて、必要以上の利益を得る人がいなくなる)。一方で、このモデルの実現可能性は極めて低いと認識されています。①そもそも、中央機関が生産者と消費者の情報を正確に収集することが非常に困難です。②もし十分な情報を集めることができたとしても、最適な計画を計算するためには、非常に複雑な計算が必要となり、計画者の能力を超えてしまいます。(人間に予測できることなんて限られている)。③さらに、競争がないため、人々には一生懸命働く動機がありません。そうなれば、商品の品質が下がり、新たな技術革新も起きず、国際競争力を失います。そのため現在では、「計画経済」は、実現可能性が低いというコンセンサスが存在します。


社会主義市場経済」では、元来の計画経済・統制経済による社会主義市場経済のメカニズムを導入したもの。適正な取引価格を中央の計画ではなく、市場の調整機能通じて達成する方針のこと。実際には,中央に集中していた決定権の多くを地方政府・国有企業・個別農家などに移し,生産計画・価格決定・流通などを市場メカニズムに委ねる体制。そうすることで、国家が企業を管理しつつ経済成長も両立できるようになります。しかし、政府による管理が緩やかになって市場経済が浸透し、高度経済成長が続くと、貧富の格差の拡大、幹部の腐敗が顕在化し、本来社会主義が目的としていた平等な社会という根本が崩壊する可能性があります。現在の中国がまさにその状態にあると言えます。